自然が好きなのに、緩めない人

「自然が好きなのになぜ私は緩めないんだろう?」
以前質問されたことがありました。
その言葉を聞いて、私も初めて立ち止まって考えました。
確かによく言われます。
よく言われているのが「自然の中に行くと、体が緩む。」
「森や花、風に触れると心が癒される。」
私自身も、自然には人を癒す力があると感じています。
でも、整体の仕事をしていると、少し違う景色も見えてきます。
自然が大好きな方。
庭仕事が大好きで、毎日のように触れている方。
山や森へ出かけることが好きな方。
そんな方でも、体に触れると背中がガチガチに硬く、呼吸が浅く、肩に力が入っていることが少なくありません。
心も、本当の意味でふっと力が抜けているように見えないことがあります。
「私はどうして緩めないのでしょう?」
そんな相談を受けたことがあります。
その言葉をきっかけに、私自身も「ゆるむ」ということについて、改めて考えるようになりました。
整体からみた「ゆるむ」とは
では、整体師として私が感じる「ゆるむ」とは、どんな状態なのでしょうか。
施術をしていて、「あぁ、体がゆるんできたな」と感じる瞬間があります。
それは、呼吸がゆっくりと深くなり、全身の力が抜けて、うとうとと眠りかけるような状態です。表情もやわらかくなり、体を触っていても「委ねてくださっているな」と感じます。
一方で、施術をしていて気になることもあります。
うつ伏せになったとき、背骨の両脇の筋肉や首、肩まわりが強く緊張している方が少なくありません。
私は、この部分の緊張が強い方は、体が休もうとしていても無意識に力が入り続けていることが多いように感じています。
もちろん、それだけで自律神経の状態を判断できるわけではありません。
でも、呼吸の浅さや肩の力み、背中の緊張は、「リラックスしたいのに、なかなか緩めない」という体からのサインの一つなのかもしれません。
だから私は、「力を抜いてください」とお伝えするよりも、まずは今の体の状態に気づいていただくことを大切にしています。
「今日は肩に力が入っているな。」
「首だけやけに硬いな」
「呼吸が浅かったな。」
そんな小さな気づきが、体が本来持っている「ゆるむ力」を少しずつ引き出してくれるのだと思っています。

真面目な方ほど力は入るのか?
整体をしていると、体が硬く緊張している方には共通する傾向を感じることがあります。
もちろん全員ではありませんが、真面目で責任感が強い方や、周りに気を遣うことが多い方です。
「ちゃんとしなきゃ。」
「迷惑をかけたくない。」
「この課題をきちんとやっておかないと」
「この時間までに終わらせないと」
そんな思いを抱えながら毎日を過ごしていると、知らないうちに体にも力が入り続けてしまうのかもしれません。
でも今回、「自然が好きなのに緩めない」というご相談を受けて、もう一つ気づいたことがありました。
それは、自然が大好きな人にも、同じような傾向があるということです。
森が好き。
庭仕事が好き。
花や木に囲まれて過ごす時間が好き。
大好き!!いつも庭にいて触れ合いたい
あれもやりたい!これもやりたい!
お花の手入れをしてあげたい。
森を楽しんでもらえるようにちゃんと整備しないと
一見すると、とてもゆったりと過ごしているように見えます。
でも体に触れてみると、背中や肩、首が緊張していることがあります。
私は、その理由は「自然が好きだから」ではなく、自然が好きなあまり、一生懸命自然と向き合っているからではないかと思うようになりました。
自然を楽しみたい。
自然から何かを感じたい。
自然の中で過ごす時間を大切にしたい。
その思いが強い人ほど、気づかないうちに心にも体にも力が入ってしまうことがあるのかもしれません。
もう一つ気づいたことがあります。
新庄村へ移住して感じたことです。
里山で暮らす人にとって、自然は「癒やされに行く場所」ではありません。
草は刈るもの。
畑は手入れするもの。
山は整備するもの。
自然は生活そのものです。
だから「自然の中にいる=ゆるむ」とは限らないのだと気づきました。
「ゆるみたい」どうすればいいの?
「じゃあ、どうすれば緩めるんですか?」そう聞かれることがあります。
私は、「力を抜こう」と頑張ることではないと思っています。
例えば整体院でお伝えしているのは
力を思い切り体に入れて、一気に力を抜くという方法です。
最近、森林セラピストの勉強をしていて、とても印象に残った言葉があります。

「人は安心すると、自然と体がゆるむ。」
では、その「安心」とは何でしょう。
私は最初、安全な場所にいることだと思っていました。
でも学びを深める中で、もう一つ大切なことがあると知りました。
それは、「今の自分に気づいていること」。
「今日は肩に力が入っているな。」
「少し呼吸が浅いな。」
「なんだか疲れているな。」
そんな小さな気づきがあると、人は「今の私はこうなんだ」と受け入れることができます。
自分の状態が分かると、「今の私はこうなんだ」と受け止めることができます。
分からないことは不安になります。でも、自分の状態が分かると、人は少し安心できるのです。
反対に、不安なときはどうでしょう。
心は未来のことを考えたり、過去を振り返ったりして、今ここにありません。
体も無意識に緊張し、呼吸は浅くなり、周りの変化ばかり気にしてしまいます。
だから私は、「自分に気づくこと」は、今ここに戻ってくることなのだと思います。
そして、「今ここは大丈夫」と体が感じられたとき、人は少しずつ安心し、自然と緩んでいくのではないでしょうか。
無理に何かを変えようとしなくても、自分の体に意識を向ける時間が増えることで、少しずつ体は安心し、自然と緩み始めます。
整体も同じです。
施術で体が緩むことはもちろん大切ですが、本当に目指したいのは、日常の中で自分自身の体の声に気づけるようになること。
それが、自分で自分を整える第一歩だと私は思っています。
うみかぜ整体院はお客様の不快な部分をとりのぞくお手伝いをするのと同時に
ご自身の体の声に耳を傾け、小さな不調のサインに早めに気づき、未病のうちに整えていけるようになること。それが私の願いでもあります。
この秋、新庄村のルピナスバレーで始まる「自然とともに 心と体をゆるめる3ヶ月」も、そんな時間にしたいと思っています。
セルフケアを覚えることが目的ではありません。
足の裏や呼吸、季節の風を感じながら、「今の自分」に気づき、自分で自分をゆるめる力を少しずつ育てていく。
そんな3か月をご一緒できたらうれしいです。
「最近、少し力が入りすぎているかも。」そんなふうに感じている方にとって、この3か月が自分に戻る小さなきっかけになればうれしいです。
場所 ルピナスバレー 全3回
「9月5日(土) 10月10日(土) 11月7日(土)」
いずれも13:00から15:00
料金 1回単発2000円 3回セット5000円
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